「ん、似合う。」 浩平が付けてくれたピアスに触れてみると、すぐさまに顔が緩む。 そんな自分をごまかすためにあたしも慌てて 「あたしも浩平に付けるよ!」 もうひとつのピアスを手にした。 「おう。」 少し耳にかかる自分の髪を抑えて待つ浩平にあたしは異常なくらい緊張していた。 「い、痛かったら言って。」 膝立ちになるあたしは浩平より少しだけ目線が上。 はじめて見る浩平の角度に手が震えて少しだけ躊躇ってしまう。 「……。」 少しの沈黙。 緊張するあたしの心臓の音が今にも聞こえそう。