「無理…だよ。だって…」 だってあんなに幸せだった思い出を… 一方通行でも幸せだった思い出を… ううん、本当は思い出なんかにしたくない。 これからもずっと浩平と… あたしはまだ浩平が… そんな思いが頭をよぎる。 「俺が忘れさせてやるから。」 そう囁いた矢島は一瞬微笑むようにしてすぐさまあたしに顔を近付けてきた。 キス…? 一瞬にしてそう思った、 その瞬間… 「俺のなんだけど?」 どこからともなく… 嘘でしょ…?