「浩平!待って!」
カバンを持った浩平は玄関で靴を履き替えていた。
一瞬アタシのほうを見たけどすぐにまた向こうを向いてしまった。
そんなほんの少しのことなのに、あたしの心はズキって…
あたしが口を開くと
「浩平…あの、かんちが「良いんじゃないの。」
あたしの言葉をさえぎる。
「へ…」
良いって…何が…?
「浩平…?」
何かわからないとても不安な感情に襲われた。
「別に良いんじゃん?」
「だからさっきのあれは…」
勘違いだよ、そう言いかけたら
「俺みたいなのよりあいつみたいな奴の方がお前らしいよ。」
って…
「何それ…本気で言ってるの?」
お前らしいって何?

