恋愛禁止令

「いきなり、何を言い出すのよ?」

「…知ってるんだ。ゆりが本当に辛い時はいつも凄く明るく振る舞うって」



ゆりは今日はじめて僕から視線をそらした





「私ね。彼にふられたの。」

「えっ!?」





ふられたって…ゆりが?
幸せそうにさっきまで
微笑んでいたゆりの
瞳から大量の涙が





「ゆり…」



思わず僕はゆりと
呼び捨てをしてしまった





「でも、今はもうだいぶふっきれたから。」





それは嘘だと僕はみぬいた。