「重い?」
「ぜんぜん。」
「えー、無理すんなよ。」
「生意気言ってたら置いて帰るぞ。」
「やだー」
細身なのにルキの背中が大きくて暖かくて、俺は笑いながら背中にもたれた。
なんか安心したのか気が抜けたのか、どっと疲れと眠気が襲ってきた。
歩くリズムとルキの体温が心地よい。
「クオ。」
「ん……?」
「ナミの変わりと言っちゃあれだけど、」
「うん……?」
「これからは俺がお前を愛してやるよ。」
ルキの言葉に一気に眠気が吹っ飛んだ。
なんて言うのかな。
言葉にするのは難しいんだけど、心臓がきゅぅってなった。
なんだか恥ずかしいけど嬉しくて……。
俺はルキの首に腕を回してしがみついた。
「苦しいんだけど……。」
「うるさい……っ」
ナミがいないのは俺がみたただの悪い夢で。
ああ、夢か。良かったって安心しているとナミの呼ぶ声が聞こえるんだ。
大好きなあの笑顔で。
そんなバカみたいな事を、俺はあの日から何回もう考えたしただろう?
だけど、もう大丈夫。
ルキがいるから寂しくないよ。
ナミがいなくても強くなるから。
だから安心してカイトの傍で見守ってて。
今までありがとう、ナミ。
大好きだよ。

