「カイトが死んで俺たちの前から居なくなる直前のナミは死にそうな顔をしてた。」
「うん……。」
「ずっと連絡が無かったのに、二年ぶりに連絡がきたかと思えば病気になったって聞いて……。」
「うん………。」
「でも、いざ会ってみたらナミのヤツ生き生きしててさ。自分の話そっちのけで、楽しそうにお前の話ばっかしてたよ。」
――――カイトもバンドも失って何もなかった私にとって、クオが希望で夢で未来なんだよ。
「クオがナミを助けてくれたんだな。」
くしゃくしゃにルキに頭を撫でられて。
また涙が出てきた。
俺がナミを必要としてた様に、ナミも俺を必要としてくれてたんだね………。
「そろそろ帰るか。」
「うん……。」
ズボンについた砂を払いながらルキが立ち上がる。
俺も立ち上がろうとしたら、力が入らなくて咄嗟にルキに抱きつく感じになった。
「わ、ごめん。」
「………飯食わねぇからだろ。」
「そっかな……。」
ああ、でも、そうなのかも……。
自分で立とうとして頑張るんだけど足に上手く力が入らないから、仕方ねぇなって言いながらもルキが背負ってくれた。
………おんぶなんて初めてだ。

