ここで俺の過去とナミとの出会った話をします。
俺とナミが初めて出会ったのも寒い冬の日だった。
雨が降ってたっけな?
曖昧にしか覚えてないけど、めちゃくちゃ寒かったんだ。
幼い時に両親が離婚して、俺は仕事人だった父に引き取られた。
母親の他に兄がいたけど、もう顔は覚えていない。
ただ二人と離れる日、俺は泣いていたことだけはなんとなく覚えている。
それ以外のことは靄がかかってるみたいに、思い出せない。
父はすぐに再婚したから、義母と連れ子の義兄と義姉という新しい家族が出来た。
寂しかった俺は素直に喜んだけど、それ自体が間違えていた。
義母は他の家族が仕事や学校で居ないときに男を連れ込んでは、俺を玩具にしては虐めてきた。
―――お母さん、やだ!痛いっ…熱…ッッ
―――ぎゃはは、泣いてやんの。
―――男がこんくらいで泣くなよ。
根性焼きとか押し入れに閉じ込めたり泣いて嫌がる俺を男と楽しそうに見てたな…。
―――お父さん、あのね………。
―――父さんは忙しいんだ。母さんに言ってくれ。
父は仕事ばっかで家に帰ってこないし、帰ってきても俺の話なんて全く聞いてくれない。
実の父なのに助けてくれない。

