「竜…!?」
抱きしめられてる様な格好から竜が俺を庇った事は直ぐに分かった。
「りゅ…頭、血………ッッ」
頭を切ったらしく竜の頭からは赤い血がたくさん流れていた。
額を伝って、頬を伝い、竜の血が俺の顔に落ちて来る頃には、俺の体はガクガク震えていた。
「クオ……?」
竜が心配そうに覗き込んでくる。
自分でも何でこんな状態になるのか分からない。
ただ体が震えて全身が冷えていくのに嫌な汗をかく。
なにをテンパってるのか息を吸うのも苦しい。
「やだ…っ……血が…血、が………イヤァァ…ッッ」
言いようのない恐怖が込み上げてくる。
「クオ…?」
「どうしよ…ッ、…竜……血、が……っ!」
「ん?大丈夫だよ?」
過剰に反応する俺に困った様に首を傾げるけど、自分自身分からない恐怖心が沸いてくる。
「おい、楠木、麻生。大丈夫か?」
教師たちはとりあえず俺たちを保健室に連れて行こうとする。
「ひッ……!!」
伸びてくる手が怖くて、でも振り払う方がもっと怖かったから俺は竜にしがみついた。
「クオ…?」
「……っ、………ッッ」
だんだんと頭はガンガンと痛くなってくるし、気持ち悪くなって、おまけに目眩も酷くなってきた。

