* * * *
穏やかな表情で眠るナミを俺はもう何時間も眺めている。
夕日はとっくに落ちて、夜空には月とたくさんの星が出ていて。
比較的田舎なこの町は今夜も星が綺麗に見える。
あの後、俺はユウの電話で駆けつけたルキ達と一緒に一時間くらい治療室の前で待っていた。
開いたドアから出てきた立松先生にすがりつきながら俺は聞いた。
「ナミは!!ナミは大丈夫なの!??」
立松先生は俺とルキ達の顔を見てから、ゆっくりと口を開いた。
「一命は取り留めました。」
その言葉に少しだけ安心する。
「あとはナミさんの゙生きたいと思う気持ぢ次第です。」
「え……?」
「もう一度目を覚ますかさえ……。」
最善は尽くしたんですが、って立松先生の言葉はどこか遠くに聞こえる。
「やだ……やだ………ナミを…助けて………。」
「クオ君……。」
立松先生の白衣を握る手に力が入る。
「せんせ…医者でしょ……??お願い…っ………ナミ…を…たすけて……。」
無理を言っているのは分かっている。
だけど、願わずにはいられなかった………。
「クオ、そろそろ帰ろ?」
優しい口調のユメ。
俺は無言で首を横に振る。

