翌日。
ナミにクリスマスのことを告げるために、学校が終わってから直ぐに病院にやってきた。
「クオ君。」
「あ、立松先生……」
名前を呼ばれて振り向けば、白衣を着た白髪のおじさん……おじいさんが歩いてきた。
「こんにちは。」
「こんにちは。ナミさんのお見舞いかい?」
「うん!」
少し話をしないかって言われたから近くのベンチに座った。
「ナミさんのことなんだけどね……。」
「あと二週間くらいです、よね……。」
余命宣告では年を越せないと言われていたナミ。
年末まで、もうあと二週間くらい………。
「でもね、ここからはナミさんの生きたいと思う気持ち次第なんだ。」
「ナミの……?」
「そう。何かナミさんには夢とか希望がないかな?」
「………。」
ナミの夢や希望………。
分かんないなぁ。
俺ってほんとナミのこと知らない。
「そんな大層なことじゃなくて良いんだよ。そうだな…、小さな目標とか何か楽しみとか、そんなんで良いんだよ。」
楽しみ……。
あ!そういえば………。
「あのね、クリスマスパーティーしたいんだけど、ナミは病室から出れないじゃん?だから病室でやっても良い??」
立松先生は少し考えた後、優しく笑った。

