―――痛い…いたいよぉ…お母さん………
―――やだ、やめて…兄さ…っイヤァァ!
あの頃は、ただこの日常から抜け出せればそれで良かった。
誰からも愛されなくても、独りぼっちでも何でも良かったのに………。
あれだけ他人が怖かったのに、今じゃ独りが寂しいなんて………。
俺はほんと欲張りだ。
だから…………
神 様 が 怒 っ た 。
俺がわがままばっかり言うから……神様が俺から一番大切なものを奪うんだ。
「あ、の……」
「んー?」
「も、大丈夫だから……。」
もうなにもいらないから。
わがままもいわないから。
ナミを、奪わないで。
「ほんと?」
「うん……。」
「そっか。ま、風呂でも入っといで。」
俺の頭をぽんぽんをしてルキはリビングに入っていった。
ルキってほんと分かんねぇな…。
口は悪いけど、なんだかんだ言って優しい。
つーか、Sikiの奴らはみんな優しい。
だけど、やっぱりナミがいないと寂しいよ……。
「お前さクリスマスはどうすんの?」
「んー、そうだな……。」
シャワーを済ましてソファーに腰掛けながらテレビを見ているとクリスマスのCMが流れルキに聞かれた。

