「クオ。」
名前を呼ばれて顔を上げればドアのところにユメが立っていた。
「大丈夫?」
ユメがベットに座ったから俺も上半身を起こして座った。
「ん、大丈夫。ちょっと疲れただけ…。」
「そ…。」
ぽんぽんと膝を叩くユメに俺は首を傾げる。
「膝枕。ナミはこういうことしてくれないだろ?」
「まぁ、うん……。」
あんまナミは甘やかしてくれないし(むしろ厳しいくらいだよ……。)、頭撫でてくれるくらいだ。
まぁ、俺自身があんまり甘えるってことを知らないっていうのもあるけど。
「ルキもしてくれねぇから、今のうちに甘えとけ。」
「…………。」
ジィ…っとユメを見つめてから膝に倒れた。
お言葉に甘えて膝枕してもらうことに。
「意外に人懐っこいな。」
ユメは笑いながら髪を撫でてくれた。
ゆっくり撫でるところがナミと似ていて、自分でも安心しきっているのが分かる。
「かなり人見知り激しいってナミから聞いてたし、もっと俺らのこと警戒してるもんだと思った。」
「まあね。でも、あんたらは大丈夫…。なんとなくナミに似てるから。」
「似てる?」
「ん。ナミも頭なでる時はユメみたいにゆっくり撫でるから……。」
そう言ってユメの顔を見れば、驚いたという風に目を大きくしていた。
だけど、すぐに優しい笑顔になった。

