「クオ、顔上げろ。」
ルキの声に恐る恐る顔を上げる。
目が合うとつい殴られると思ってしまいギュッと目を閉じて衝撃を待った。
だけど一向に殴られる気配がないから、ゆっくり目を開けてみると複雑な表情を浮かべたルキが……。
なに?って聞こうとしたらルキに両手で頬を包まれた。
「俺たちは絶対にお前を傷付けたりしないから、そんなに怖がんな……。」
「…………。」
「嫌なことがあったら我慢しないで、ちゃんと嫌って言って良いんだからな。」
ルキの声が優しくて、
「ぅん……っ」
思わず泣きそうになった。
「ごめんな、クオ……。」
「ううん…慣れればへーきだから。」
ナミも普通に吸ってたし、ってトアに笑う。
そのあと、Sikiのメンバーにたくさんナミの話を聞いたし、俺もナミと過ごした日々のたくさん話をした。
この人たちは少しナミと似ている。
どこがって聞かれたら困るけど、なんとなく一緒にいて安心する。
制服でいるのも疲れるから着替えると言って部屋に戻った。
「ふ、ぁ――………。」
俺は学ランを脱ぎ捨ててベットにダイブした。
何人かと一斉に話するのなんて久しぶりだから、なんか疲れた。

