…………寒い。
学ランとパーカーは学校に忘れてきて、Tシャツ一枚だったことに今さら気づいた。
寒さでガクガクと震える体を抑えるように腕を握りしめる。
「はぁ……っ……ぅ………はぁ、ッ」
痛いくらい道行く人たちの視線は感じるのに、誰も声すらかけてくれない。
俺を助けてくれるのは………、
―――ほら、拾ってやろうか?
ナミだけだ。
竜も助けてくれるげど、
―――お前はもう一人じゃないからな…。
やっぱり俺にはナミしかいない……。
「はぁ、はぁっ…ん゙……ぐッ、はぁ…!」
息の出来ない苦しさに涙が浮かんで、冷たいコンクリートの地面がぼやける。
寒い、寒い、寒い、寒い、寒い。
このまま、寒さと息苦しさで死んじゃいそ…。
「はッ、ぁ………はぁ……ぅ……っ」
死ねば全部全部捨ててらくになれるかな?
今までぬ辛いこと忘れて、ずっとナミと一緒に居れるのかな……。
その方が良いかも、って本気で思った時。
「クオ?」
上から名前を呼ばれた。
この声って…………。
思いもしなかった声に驚きながら顔をあげる。
「ル……キ…………。」
顔をあげた拍子に目に溜まっていた涙が頬を伝った。
予想通り金髪と整った顔が俺を見ていた。
なんで、こいつが………。

