「……そうそう。大人しくしてりゃ、優しくしてやるから。」
杉と近藤も加わって抑えられ、学ランとパーカーを脱がされ、Tシャツの中に手が入ってきた時は、もう諦めそうになった。
――――バンッ!!
「こら、お前ら!!授業中になにしてる!」
大きな音をたててドアが開いたと同時に薄暗い教室に光が入った。
いっせいにドアの方を見れば、怖い顔をした中年教師が入ってくる。
「げ、長尾じゃん。」
「げ、じゃない!麻生から離れろ!!」
長尾が俺から睦野たちを引き離す。
麻生ってのは、俺っつーかナミの苗字。
「ほら、立て麻生。」
腕を掴まれ無理やり立たそうとしてくるもんだから、思わず長尾の手を振り払って教室から逃げた。
体中がズキズキ痛む。
息が苦しくなってきた。
だけど、怖くて怖くて……。
走って走って走って俺は逃げた。
体力が底つきて来たのか、だんだん走るスピードが落ちて、もう少しで家ってところで俺の体膝から崩れた。
「はっ………はぁ…っ!」
息が上がって上手く呼吸が出来ない。
苦しくなって地面にうずくまる。

