もともとナミはヘビースモーカーと言っても過言でないくらい煙草を吸っていたし、酒も大好きだ。


だけど、どっちも体に良くないのは子供の俺でも分かってる。


病気が発覚するまでは何も言わなかったけど、今は話が別だ。


………ナミは大して長生きしたくないのだろうか。


一日でも長生きしてほしいと思っているのは俺だけなのだろうか。


なんて考えていると、俺の心を読み取ったみたいなタイミングで「いや、我慢しなきゃいけないのは分かってるんだけどね。」と言った。


出来るだけ長生きしたいしさ。

ん〜……、私ってこんなに意思弱かったっけなぁ。


「……………。」


ナミの意思が弱いんじゃない。


病気のこと、お金のこと、それから俺のこと、色んなことでイライラして、煙草で気分を落ち着かせないとやってられないんだ。


「でも、昔は我慢してくれたじゃん。」


ナミと出会ってすぐの頃、俺は煙草が怖くて震えて怯えているとナミは俺の前では煙草を吸わなくなった。


ずっと傍に居てくれたから、ほとんど吸ってなかったと思う。


「あれは………」


「俺のためって言うなら、今も俺のために我慢してよ………。」


返事の変わりにナミは俺の髪をくしゃりと撫でた。