走って走って走って。


無我夢中で彼女の背中に追い付こうとして、俺の足がピタッと止まる。


あと、わずか4メートルという至近距離になったところで、俺は衝撃なものを見てしまった。







マジか…


男がいた。


目に飛び込んできたのは見知らぬ男と一緒に並んで歩く彼女の姿。


親しげに。金髪の同じぐらいの年の彼と仲良く笑っている姿が目の中に大きく飛び込んできた。






「―――」



言葉が何もでなかった。


一瞬見間違いかとも思ったが、その期待はいとも簡単に大きく崩れさっていく。


それは確かに彼女で。


俺がすっと会いたくてたまらなかった「三月果歩」


その姿に悲しいほど見間違いというものはなかった。