その言葉に俺は一瞬ハッととなる。
「一目ぼれした……客?」
「うん。もうあんまりよく覚えてないんだけどね。確かけっこう年上の相手だったと思う」
言いながらじっと俺を見つめてくる果歩。
「ああ、確か陽生ぐらいの年齢だったかな?そう言えば一度だけね、その人と話したことがあるの」
そのセリフにドキッとした。
まさか。
俺のこと……
「その時にハンカチを貸してもらったような気がするんだけどなぁ。うーん…。やっぱり上手く思いだせないや」
「……へ~何?そのハンカチの男ってそんなにいい男だったわけ?」
いつになくドキッとする。
もしかして…
と思う俺の心は次に発せられる果歩の言葉でどう転ぶのだろうか?



