「……え?あれ、何で?私シャルノのこと言ったことあったっけ?」


「ああ……、いや。さあな」



少し曖昧に答えると、ますます困惑気味に首を傾けられる。



しまった。

そう思ってももう遅い。



「ねぇ、どういうこと??」


ぐっと詰め寄って、眉を寄せられる。


クリっとした瞳に見つめられて、一瞬口を滑らしそうになったけれど、俺は慌ててそれをつぐんだ。



てか、言えね―


これだけは言ったらまずいような気がする。


つーかこれはずっと今まで俺が秘密にしてきたことだ。


それはあの日。2年前。果歩と出会うまでの忘れられない俺の片思い。



目の前の果歩を見つめながら、俺はふとあの熱い夏の日のことを思い出さずにはいられなかった。





―――…