君の体温


一通りの注文を終え、遠ざかって行く彼女の背中を見つめながら妙に不思議な気持ちだった。



また……、少し感じが変わったような気がする。


あれからたった半年しか経ってないのに、あの時よりもずいぶんと大人っぽくなった気がするのはきっと俺の思いすごしじゃない。



「ふふ。なに見とれてるのよ」


「いや、女は成長するのが早いなって……」


「クス。そうね。あっという間よ。あの感じだったらすぐに一人前の女性に変身するんじゃないかしら?」


「だろうね」



なんだかくすぐったいような、ハラハラとして少し落ち着かない思いにかられた。



「おちおちよそ見してたら、あっという間に何処かの変な男に持ってかれちゃうんじゃない」


「―――」



その言葉に一瞬昨日の光景がよみがえった。


彼女と、その隣を歩く男の姿。


どうか間違いであってほしい。


気持ちがえぐられる中、俺は彼女の透き通った肌を脳裏に強く焼き付けずにはいられない。