君の体温


「すみませーん。あ、そこのお姉さんちょっといい?」



そう言われ、俺達の元にオーダーを取りに来たのはなんと、あの三月果歩だった。



「おまっ……」


「少し黙ってなさいって」



にっこり笑われても俺は笑えない。


内心ハラハラしながらも、もう目と鼻の先にいる彼女を目の前にして、俺は必死に冷静さを保つことしかできなかった。



「ちょっと小腹がすいてるんだけど、何かオススメなメニューはないかしら?」



そう言ってさりげなく告げて、彼女をじっと観察してるようだった。


なるほど。

そうくるか…



「コーヒーだけじゃやっぱりお腹はいっぱいになれないわね。ここのハンバーガーセットっておいしいの?」


「はぁ…そうですね。それならこっちの……」