でも、なぜかそれが俺にはすごく魅力的に見えた。
三月果歩。
そのすべてが悲しげで、思わず手を伸ばしたくなるような衝動にかられてしまう。
あのほっそりとした腕を捕まえて、自分の元へ引き寄せたらどんな匂いがするんだろう、とか。
本気でそう考える俺はやっぱり少しイカレテるんだろうか?
「ねぇ。こんなところでチビチビコーヒーなんて飲んでないで、さっさと声ぐらいかけてきなさいよ」
「え?」
「もしよかったらこの後食事でもどうですかって。……まさか、このまま何もしないつもりじゃないでしょ?」
そりゃ、まぁ……
せっかくのチャンスなんだ。
俺だってそうしたいのはやまやまだ。
だけど…



