だけどその時、俺は見つけてしまった。
俺達が座るテーブルとは少し離れた奥で、彼女こと、三月果歩らしき子が違う客を接客してるところを。
いや、あれは間違いなくそうだ。
俺が彼女を見間違うわけがないだろ?
背中まで伸びたストレートの長い髪。
今日はそれを2つで縛ってる為か、その横顔が予想よりもよく見えた。
「何?あの子なの?」
「ああ」
少し茶色かかった髪質が彼女にとてもよく似合ってると思った。
そしてどこか影のある面影。
ここからでもよく伝わってくるような、そんな彼女の雰囲気に俺は目を奪われずにはいられない。