静寂。







………………?

(私………
生き…てる?)

朦朧とする意識の中、目を開けるまでの時間が長く感じられた。

「!?
さっきの破裂音は?」

急激な自我の回復は、先程の死のシチュエーションを思い出させていた。


「目覚めたか?
妖神の眠り姫」

「傷が深いから、まだ動かないでね」


視界に飛び込んで来たのは馴染みのある二人の顔…


「よく頑張ったな。
流石はディノウンの花嫁だ。
だが、後は任せろ」

一人は紅い龍をあしらった鎧を纏う青年。


「応急処置はしておいたわ。
少し休んでて」

もう一人は優しい眼差しを向けてくる美しい少女。


紛れも無く…

「リ・シュウ!
ラシス!
ア、アンタ達………」

痛みを堪えて上体を起こそうとする蜂姫の目から、今度は血の混じっていない涙が溢れ出す。

「遅れてすまなかったな。
詫びと言ってはなんだが、このガラクタ女は俺が始末する」


ガラクタ女…
イータのことだ。

その姿から、さっきの破裂音を発したのはイータの右腕だったことが分かる。