『お…お前!
僕を蒸発させるつもりか!?』

「お前をどうするつもりかは既に言った。
二度言う義理は無い」


ウノサスの放射する熱は俺や蜂姫の居る方には向かわず、前方のダグマスにのみ浴びせられている。

熱波と津波の鍔ぜり合い…
いや、津波が熱波に押し返されている!

『フ…フフフ。
流石、と言うべきかな?
確かに深皇アグザスが見込むだけあるな、魔神。
だがね…
この次の展開は読めたかな?』

ダグマスの態度が急変する!

そして…


ドクン…


「う…
な…んだ………?
これは……!?」

俺の身体がおかしい。

鼓動が不規則に脈打ち始め、目眩がする…

「エルダ、どうしたの!?」

蜂姫の声がグワングワンと、俺の頭の中で鈍い鐘の音のように響いた。

『さあ、忌まわしき封印よ…
今こそ返してもらうぞ!
僕の身体を!!』


ドクン
ドクン
ドクドクドクドク…


「ぐ…が…わっ!!」

身体の中に何者かが侵入してくる感覚が俺を襲った。

(ちっ、またか…)