……………
対峙する二人の女神。
ラシスは金と紺の縞模様の杖を構え、ナラクアは両脇腹下の大バサミを開いてラシスを牽制する。
「ナラクア…
いえ、貴女はニトアね?」
「………ニトアは死んだ。
今の私は深皇アグザスの忠実な僕、究死配者。
異界の神を狩るのが使命。
だから…」
「だから?
それに異界の神を狩った後、エルダはどうするの?
エルダは異界の神じゃないわ」
ナラクアはフッと自嘲するように笑って答えた。
「エルダは元から『コウ』では無いわ。
貴女達は、まだエルダの正体に気付いてないのね。
…エルダのことより、今は自分の心配をしたら?」
シュオワッ!
突然、ナラクアの右のハサミがラシスに向かって横一閃!
「くっ…!
ニトア!!」
「私はナラクア!
ニトアでは無い!!」
ズワシュッ!
今度は左のハサミが襲い掛かり、ラシスを挟みこもうとする!
「はぁっ!」
ラシスは跳躍して避けようとするが…
(っ!?
しまった!!)
いつの間にかラシスの足元は腐土と化しており、足を動かすことが出来なくなっていた…!


