……………


「…!!」

リュエーに急ぐ道中、ウノサスが急に何かに反応して止まった。

「ウノサス?」

「……行くぞ。
俺達は、俺達のやるべきことを果たす!」


飛行を再開するウノサス。

何かあったのだろうか?
もしかして…

(リ・シュウの身に?)

思惑を脳内に走らせる俺の肩に、透徹が手を置いた。

「魔神の言う通りだ。
自分の使命を果たす、それだけを考えれば良い」

「あ、ああ…」


俺達が飛んで行く先に、また赤い光が見え始めた。

今度は間違い無さそうだ…

「今度は本物のリュエーか?」

ウノサスが俺に尋ねる。

「ああ。
今度こそ正真正銘リュエーだ。
…なぁ、ウノサス。
一つ聞いて良いか?」

「何だ?」

「リ・シュウは俺が、敵陣であるリュエーに乗り込むことを迷っていた時、『策がある』と言っていたが…
その策の内容を聞いたか?」


「ああ、あれな」

ウノサスは笑いながら答えた。

「そんな策はハナから無い。
あれは相手が決断を迷っている時、よくリ・シュウが言うセリフだ。
俺も策なんて無いことは最初から分かっていたさ」