「エルダ!
ここはリ・シュウに任せて俺達はリュエーに!」

ウノサスの呼び掛けに、俺は我に返った。


「あ、ああ!
リ・シュウ、先にリュエーで待ってるぞ!」

「…ああ。
いいから早く行け」

この場をリ・シュウに託し、俺達はリュエーに向かって飛翔した…



静寂が二体の『神』を包む。

『まさかサシで俺と殺り合うつもりだとは…
ハハ…
ヌアハハハハハハハハハ!!
異界の神よ!
楽しい、楽しいぞ!!
こんなに愉快で魂踊る気分は久しぶりだ!!』

「少し黙れ。
幻と雑談する気は毛頭無い。
姿を現せ、臆病者」


リ・シュウの挑発。

相手の心理を的確に刺激するのは見事…と言うより、これは性格が悪くなければできない芸当だ。

『………良かろう。
お前こそ冥土の語り種にするがいいさ。
これが熱風の火葬者、クトスタの真の姿だぁっ!!』


ゴオオオオオオオォッ!!


核熱が渦を巻き、それはのたうつ巨大な炎の邪竜となる!

やがて炎が収縮し、その中心に立っていたのは…


「これが究死配者…か……」