「じゃあ分かるな?
俺が………」

「言わなくていいわ。
辛いの…分かるから。
でもね…
私が信じられるなら、ウノサスのことも信じてあげて。
ね?」

ラシスが俺に優しく微笑む。


(女神……だ…
この女性の愛した男なら…
あのウノサス達…)

「なら………………てみよう」

知らず知らずの内に、俺は心の声を口に出していたようだ。


「…え?」

「…なぁ、ラシス。
教えてくれ。
君の愛したウノサスって奴は、一体どんな奴なんだ?」

ラシスは俺の突然の質問に少し小首を傾げて考えた後、これ以上ないくらい優しい笑みで答えた。

「ウノサスは、ウノサスよ。
だから好きなの」


…理不尽な解答。

だが、どんな返事よりも遥かに納得の行く答えだった。


(エルダはエルダ、でしょ?)

あの『時』が、脳裏に蘇る。

鮮烈に。
鮮明に。

そして………残酷に。


いや、もう迷いは無い。

だから、もう一度言おう。
今度は力強く。


「ウノサス達なら…
信じてみよう」