「ふぅ~ん。
表彰状みたいやわ。」
「何の?」
「えっとなぁー…
陸上みたいやで。」
「へぇー。ウチの陸上部
賞とかもらった事あるんだ。」
「名前わなぁー
"なりみやまひろ"やて。」
「えっ…!!?」
今、和樹…"まひろ"っていった?
さっきまで静かだったあたしの心臓が
ドクン、ドクン、と音をたてて
ものすごい速さで脈をうち始めた。
聞き間違いじゃないよね…?
確かに"まひろ"って…
「和樹!!それ見せて。」
あたしは和樹から表彰状を受け取り
小さな窓からのかすかな光の下で
その表彰状を自分の目で確かめた。
そこには確かに
"成宮誠弘"と書かれていた。
それは…
あたしのお兄ちゃんの名前だった。


