暫くの沈黙の後、真瑠はただ一言。



「はい…。」



そう言った。


さっきまで泣いてたハズの顔は、少し赤らんだハニカんだ笑顔に変っていた。



「真瑠…!」

「きゃぁ☆」



俺は嬉しくて真瑠に思いっ切り抱きかかった。


拍子に真瑠がブランコから落ちそうになって声を上げた。


でも大丈夫
俺がしっかり捕まえてるから


もう絶対に放さないから



そう思いながら、優しく抱き締める。



「真瑠…キス…してもいいかな?」



俺の胸の中で真瑠がコクリと小さく頷いた。





ちょっと薄暗くなってきた公園


水色とオレンジが重なる空の下


俺と真瑠は大人になって最初のキスをした。



子供の頃こっそりしたキスとは違う



ほんの一瞬軽くだけど



ひんやりとした柔らかい唇に触れた瞬間



愛しさが溢れる



何年も何年も積み重ねた



真瑠への思い