共鳴り

「お前らさ、もう喧嘩すんなよ?」


清人は得意げに笑う。



「理乃、何かあったらいつでも俺んとこ来いよ?
この怖ーいお姉さんにバレないように慰めてやるから。」


理乃はないない、と言いながらケラケラと笑い、レナちゃんは馬鹿だ、と言って呆れていた。


本当に珍しく、清人は上機嫌で酔っ払っているようや。


ホンマは必死なくせに、と俺は、肩をすくめた。



「お前さぁ、退院して間がないんやし、飲み過ぎやろ。」


「全然余裕でーす。」


そう言って、彼はトイレに行くためなのだろう、席を立った。


足取りは少しふらふらとしているし、やっぱ心配になるけど。



「良いよ、後はあたしに任せてくれて。」


「…でも…」


「ギンちゃんはさ、あたしらのことは良いから。
どうせ今日、あの人潰れるまで飲むんだろうから、タクでうちに連れて帰るよ。」


レナちゃんはその背中を見送りながら言う。


上手く言っとくから、と彼女は言ってくれた。


腕時計で時刻を確認してみれば、もうすでに日付が変わってしまっている。



「あ、りぃ明日も学校やん。」


どうしようかと思っていると、レナちゃんは良いから、と背中を押してくれた。


そして俺が取るより先に、伝票を奪われる。



「こっちも人気のキャバ嬢様に任せなさーい。」