共鳴り

少ししんみりとした空気になった。


清人は諦めたように視線を滑らし、記憶を手繰り寄せる。



「陸ってさ、すげぇなって思ってて。
ひねくれてなくて、真っ直ぐで、俺憧れてたよ、お前のそういうとこに。」


「…何言い出すん?」


「いや、マジでさ。
屋上で初めて会話した時な、この金髪野郎、格好良いな、とか思ってて。」


照れ隠しなのかもしれない、そんな言い方。


俺は思い出したように笑いながら、視線を下げた。


格好良いって思ってたのは俺の方やし、結局俺ら、互いにないものねだりなだけなんやろう。



「寂しいとか思う俺は、もしかしてホモ?」


いつになく真剣な顔して聞かれ、俺は噴き出したように笑った。


やっぱりコイツ、ただの天然なんかも、って。



「キヨにはレナちゃんがおるやんか。」


「いや、コイツはダメだよ。
俺よりサキちゃんと温泉行くって言ってる薄情な女だし。」


瞬間、清人はぺしっと叩かれていた。


俺と理乃は顔を見合せて笑ってしまう。



「心配せんでも、お前のピンチやったら俺はいつでも駆け付けてやるやんか。」


きっと清人だって、俺のピンチには駆け付けてくれるんやと思う。


どこに住んでようと、誰と生きてようと、俺らはやっぱ親友ってことに変わりはないねん。


結局彼は、レモンサワーを一気に流し、イェーイ、と拳をこちらに突き出し、俺らはそれを、がっちりと合わせた。


清人とレナちゃんは、机の下で密かに人差し指同士を絡めてるのが見えたけど、でも、俺はそこには突っ込んでやらなかった。


多分、彼女がコイツを支えてくれているんやろうから。