共鳴り

「レイコ。
お前居たって邪魔なんだし、もう帰れ。」


じゃあ送ってよ、と彼女は言った。


嶋さんは一瞬驚いた顔をして、でもすぐに、不貞腐れたようにむすっとする。


結局レイコさんは何だかんだで嶋さんの心配もしてて、ふたりっきりになって話がしたい、って意味なんやろう。


俺はお邪魔虫かい、って。



「ねぇ、銀二!」


レイコさんは思い付いたように俺を呼んだ。



「アンタは自分が何をすべきかを考えなさい。」


「…どういう意味?」


「あの子が目を覚ますためには、あの子の望むことをしてあげるんじゃなかったの?」


清人が望むこと?


そこまで言われ、俺はばっと顔を上げた。


そんな俺に向けてふっと笑ったレイコさんは、嶋さんを連れて行くように引っ張った。



「レイコさん、待って!」


思わず声を上げると、立ち去ろうとしていた彼女は顔だけでこちらを振り返り見た。



「ホンマにありがとう!」


言うと、彼女はまた笑う。


そして馬鹿な子ね、と言いながら、嶋さんと共に靴音を響かせた。


清人が密かに、ずっとあの鎖の欠片を持っていたことは知っていた。


アイツが唯一心を許してて、部屋はそのままに、そしてただ会いたいと思ってるであろう、この世での未練。



「…レナちゃん…」