共鳴り

「もう良いぞ。
御苦労だったな、国光。」


「えー、それだけですかぁ?」


苛立ちを混じらせる嶋さんに、それでも彼はぶーたれるだけ。


本当に怖いのは、もしかしたらこの人の方なんじゃないのかと思う。



「とりあえず、こんな状態だしチャコールは当分営業停止だ。」


「へーい。
で、園田どうするんですかぁ?」


「好きにしろよ、お前で。」


国光さんは笑った。



「煮てさぁ、焼いてさぁ、それを猟師が鉄砲で撃って食っちゃう、みたいな童謡あったよなぁ?」


そして自分の周りにいるやつらに目を輝かせ、それをやろう、と言った。


撃ってから煮たり焼いたりするんすよー、と言う彼らは、倒れたままの園田を引きずっていく。


俺は思わず目を逸らした。



「あ、ジルくんばいばーい。」


笑いながら彼は、会うのこれで最後かもだしー、と言って清人に手を振りながら、さっさと店を後にする。


店内は少しだけ人数は減ったものの、それでも重苦しい空気に包まれたまま。


先ほどの国光さんの言葉は、笑い話にすらならへん。



「この失態、どうしてくれんだよ、ジルコニア。」


「…すんません。」


「すんません、すんませんって、そんなの聞いたってどうにもならねぇだろう?」


言って、彼はガッ、と並べられていた椅子を蹴り上げる。


そして清人の胸ぐらを掴み、「おう?」とすごんで見せるのだ。