共鳴り

“園田”ってのは、チャコールの店長や。


そいつが何かしたんやろうとは思うけど、聞くより先に、嶋さんは「行くぞ!」と低く呟く。


また俺も行くんかい、と思いながらも一緒に立ち上がった。


とりあえず急ぎっぽいし、先ほどの話は後でやろう。


何より、嶋さんは恐ろしいほどの剣幕やった。



「おい、あの馬鹿に電話しろ!」


「…どの馬鹿ですか?」


「ジルコニアしか居ねぇだろうが!」


清人?


確かにチャコールを任されてるのはアイツやし、あの店での失態は清人の失態でもあるけど。


この人がここまでキレるって、何?



「…園田、何やったん?」


「チャコールの金盗んでるらしい。
おかしいと思って国光に探らせてたんだよ。」


国光さんは、強制捜査の一件で警察の動きを探ってるはずやった。


他にも何かしてるとは思ってたけど、まさか身内からこんな錆が出るとは思えへんかった。


何より、普段はちゃらちゃらの国光さんやけど、情報だけは正確そのもので、信じるには足るやろう。



「あの腑抜け、こんなことにも気付かねぇでヌルい仕事しやがって。」


仕事は仕事やから、清人を庇い立てることも出来ん。


レナちゃんの一件もあり、アイツが大なり小なり余裕がなかったのは事実やから。


まぁ、全部この人の所為やけど。