共鳴り

さすがに俺も、目を見開いた。


一体何をするのか、腹の底が読めなくて。



「そんなん無駄やで。
あのふたりは終わってんねんから。」


「ほう。」


「やからもう、俺らの周りの人間巻き込ますんやめてくれぇや!」


睨むが彼は、動じることなくクッと喉を鳴らすだけ。


正直、苛立ちを押さえることがやっとや。



「俺らはアンタに忠実やろ!
金ならちゃんと納めてるし、組員以上の働きしとるやん!」


「そりゃあ俺が決めることだろう?」


そらそうやけど、悔しくて堪らへん。



「お前は俺が嫌いか?」


「好かれてるとでも思ってたん?」


嶋さんはハッと笑う。



「まったく、うちの息子共と同じ目で俺を見やがって。
これだから嫌なんだよ、青臭ぇガキはよぉ。」


嶋さんには、血の繋がった子どもがふたりおるのは知っていた。


元々子供が出来たから籍を入れただけのようなもので、当然家にもろくに帰らず、若かった彼は遊び歩いてて、奥さんが子供連れて出て行ったらしいけど。


そりゃ、言われて当然やろ。



「俺らの親父気取りとか、ホンマ虫唾が走るわ。」