求めた分だけ、
愛しているのだと知る。


なのに求めた分だけ、
俺らの距離は離れてしまう。




理乃に対しても、
もうわからないことだらけや。




例えば何が好きで何が嫌いか、

何を見てどう感じたか、


そういうことでさえ、わからへん。





季節が変わる度、日を追うごとに、溝が深まる。


同じ屋根の下で暮らしてて、互いしか居ないと思いながら、その距離が苦しい。


近すぎて、だからどうすることも出来なくて、宙を仰いだ。


人工的な白熱球の電気、外は真っ黒い色で塗り潰されている。


それがまるで清人のトライバルのようで、目を背けるようにまた、顔を覆った。


傷つけ方しか知らないのだと、アイツは言った。


この世の中は嫌いなものだらけだと、レイコさんも言っていた。


本当にその通りでしかなく、全然笑えない。




独りの夜が怖かった。