「また今年も夏になっちゃったわねぇ。」
ベッドサイドで煙草を吹かす俺に、レイコさんはため息を混じらせる。
年齢不詳の妖艶なマダム風の彼女やけど、風俗嬢や。
俺は笑いながら、そんな彼女の口元へと、先ほどつけたばかりの煙草を運んだ。
「レイコさんは夏が嫌いやもんねぇ?」
俺の言葉に、彼女は煙を吐き出しながら、肩をすくめて見せた。
ベッド横にあるスタンドが彼女の顔を淡く照らし出すだけの、シンプルな部屋。
いや、何もないと言った方が正しいのかもしれない。
どことなく、親友の部屋みたいや。
「で、アンタは何でまた、あたしのベッドで寝てんの?」
そんな言葉で、今度は俺が肩をすくめる番。
一夜を共に過ごしてみても、別に俺らに体の関係はない。
それでも俺は、いつも彼女の部屋に忍び込み、勝手にベッドの半分を奪っている。
「俺、ここしか来るとこないの、知ってるやん。」
「また喧嘩?
いい加減にしてよねぇ。」
「えぇやん、レイコさんにとっても防犯になるやろ?」
「あたしの部屋に勝手に忍び込んで来る男にそんなこと言われてもねぇ。」
俺は曖昧に笑いながら、宙を仰いだ。
たゆたう彼女から吐き出された煙草の煙が揺れ、消えていく。
「銀二の愚痴なんか聞き飽きたわよ。」
ベッドサイドで煙草を吹かす俺に、レイコさんはため息を混じらせる。
年齢不詳の妖艶なマダム風の彼女やけど、風俗嬢や。
俺は笑いながら、そんな彼女の口元へと、先ほどつけたばかりの煙草を運んだ。
「レイコさんは夏が嫌いやもんねぇ?」
俺の言葉に、彼女は煙を吐き出しながら、肩をすくめて見せた。
ベッド横にあるスタンドが彼女の顔を淡く照らし出すだけの、シンプルな部屋。
いや、何もないと言った方が正しいのかもしれない。
どことなく、親友の部屋みたいや。
「で、アンタは何でまた、あたしのベッドで寝てんの?」
そんな言葉で、今度は俺が肩をすくめる番。
一夜を共に過ごしてみても、別に俺らに体の関係はない。
それでも俺は、いつも彼女の部屋に忍び込み、勝手にベッドの半分を奪っている。
「俺、ここしか来るとこないの、知ってるやん。」
「また喧嘩?
いい加減にしてよねぇ。」
「えぇやん、レイコさんにとっても防犯になるやろ?」
「あたしの部屋に勝手に忍び込んで来る男にそんなこと言われてもねぇ。」
俺は曖昧に笑いながら、宙を仰いだ。
たゆたう彼女から吐き出された煙草の煙が揺れ、消えていく。
「銀二の愚痴なんか聞き飽きたわよ。」