「まぁ、たいして心配するようなことでもなかったみたいですね。僕はテストも近いし寝ますよ。それにしても先輩は1人部屋で羨ましいです。いびきがうるさ過ぎると1人部屋になれるなんて不公平ですよ。こっそりタバコも吸えるし。観葉植物もオシャレですね、僕は熱帯魚を飼いたいです。」

「まぁ、そのうち君も1人部屋になるさ。今は我慢しなさい。」

「それもそうですね。それじゃあおやすみなさい、親方。」

イナックスは扉を閉め、自室に帰っていった。

「親方だと、親方とは俺のことか・・・。」

気分を害した油川はイライラしながら煙草に火をつけ、部屋には彼の吐く煙が立ち込めた。

「どいつもこいつも、毎日俺ばっかり笑いものにしやがって。」

油川はおもむろに立ち上がる。

「ぉぉぉおおず。・・・・ぉおおず。」

ぶつぶつと呟きながら夜中なのにも関わらず屋外に出ていってしまった。


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