ユキは怒りを忘れ、真剣に聞いている。

「この世界は私が作りました。あなたが、さっきまで居た世界と似てるでしょう。それは私が、景色をコピー・アンド・ペーストしたからです。でも直ぐに違いに気づきますよ。そこの畑をごらんなさい。」

足もとを見ると、畑のそばにシリンダーが山積みにしてある。

そしてすぐその横にはレジスターも転がっている。

ずっと探していたのに見つからなかった資源がこんなところにあるだなんて。

「そう、この世界はシステム資源に溢れています。詳しく説明しますので、リソースタウン・ハギに戻りましょう。ナガト方面には何もありませんよ。この世界ではそちらまで都市開発出来てないのですから。」

テレポート男は、ユキの手を取りＢＡＬを発動させた。

１０メートル程進み、即座にＢＡＬを使用。２人は瞬間移動を続け、あっという間にリソースタウンの中心まで辿り着いた。

「元住んでいた町が恋しくなることもあるかもしれませんが、直ぐにこちらの世界でよかったと思うようになる筈ですよ。こんなにシステム資源に囲まれた豊かな生活は他ではできませんから。」

彼は上機嫌に言った。