海産物を取ることに飽きてきた部員、根本ユキもその1人だが、海岸周辺をジョギングするようになった。

彼女たちは自分たちのことを夕焼け隊と呼んでいた。

魚が全く釣れない者は、うずしおから夕焼け隊になる者もいた。

そしてものの1ヶ月でうずしおと、夕焼け隊の2大勢力が主流となった。

そのどちらにも所属しない数名は、自分たちのことを何故かおやつ大好き隊と呼んでいた。

おやつ大好き隊の筆頭は黒松田である。

油川事件以来、足を痛めて山に登れなくなり、海隊に転属されていた。

彼は海隊の補給部隊としてトラックで食事を運んだり、空いた時間でアセンブル言語を研究したり、おやつを食べたりしていたのである。

うずしお・夕焼け両グループは決して派閥闘争をする訳ではなかったが、おやつ大好き隊は何故か少し見下されているような雰囲気だった。

アリノズは「どちらも楽しめば良いんじゃないの?」と言っていた。

夕焼け隊のモットーは「走って健康になろう。走っていればいつかは資源を見つけられるかも。」という呑気なスローガンであった。

そして、海隊全員でジョギングをしていたところ、健康的な地元の元気な会社ということで、新聞に取り上げられたのであった。

CFG社長はCSの向上だと喜び、飛び出たあごを更に飛び出させて喜んでいた。

勿論、「長い目で運用しよう、マラソン定期」をつくり、システム資源が更に減ったのは言うまでもない。

「資源は1つも取れやしないが、ラッキーだぜ。」

アリノズは言った。