「これの何処がシステム資源だ!海産資源だろうが。」

「部長、申し訳ありません。」

「いったい2ヶ月間君のチームは何をしていたんだ。システム資源集めろ。」

部長はアリノズから帳簿を取り上げて、金きり声で読み上げる。

「コンブ400枚、ウニ300個、ブリ150匹、キス1,500匹、あんこう340匹・・・」

室長はショックで白目をむいて立ちつくしている。部長は顔を真っ赤にして叫び続ける。
「イカ250杯、タコ300杯、マテ貝900個、あわび700個、さざえ600個・・・」

室長はついに泡を吹いてぶっ倒れてしまった。

部長はなおも続ける。

「赤貝1,200個、あさり550個、アンモナイト700個、しじみ30個、・・・アンモナイト?アンモナイトって何だっ」

「取れました。安岡海岸です。これらです。」

アリノズはアンモナイトを並べているエリアを指差す。

部員はどっと群がった。

生きた化石を化石で無い状態で見るのは初めてだった。取った本人も言われるまで気づかなかったらしく、目をまんまるにしている。

CFG社員が海の清掃活動をしていたら、アンモナイトが取れたということにして全国紙からの取材が実施された。

CFG社長もCSの向上であると言い自慢のあごを触りながら、非常に喜んでいた。

アンモナイトはCFG資料館で展示したところ、世界中から見物客や、大学の教授が集まった。CFGも調子に乗って新商品「アンモナイト定期預金」を作った。

現業システム開発を急遽行ったため、ただでさえ少ないシステム資源はさらに減ってしまったのである。しかし何はともあれ、海隊はどさくさに紛れて無罪放免となったのである。

アリノズは海隊に向かって言った。

「ラッキーだぜ。」