「生きていたか、弟よ。」

兄もとりあえずほっとしている。

「これは大麻を使用したお前に対する罰なんだろうな。元の大きさになるまで相当な量を食べないと元には戻らないだろう。元の大きさに育つまで、そうやって過ごして罪をつぐなえ。会社を辞めて俺と一緒に住め。俺も警察を辞める。」

「うん、兄ちゃんそうする。ごみんなさい。UBEの皆さん、今までお世話になりました。大切な資源を持ち出してすみませんでした。資源を掘りあてて皆様のお役に立つことが出来ず申し訳ありませんでした。大麻を吸ってご迷惑おかけしました。私本日をもちましてUBEを引退します。栄養の有るものを沢山食べてもとの大きさに戻ろうと思います。さようなら。」


真っ赤なミニ麻呂は兄の肩にちょこんと乗って一礼した。


油川兄も黙礼し、のしのしと華山を下山し始めた。



「彦麻呂がいなくなってしまう、いやだ。寂しい。」

誰かが悲痛な声を上げた。

「俺はアイツのことが大好きだったんだ。誰もアイツを嫌いで悪口言ってたんじゃあない。好きだからついつい甘えて、調子に乗っていたんだ。もう取り返しがつかない。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。彦麻呂!彦麻呂!」


石井副調査役は、落ち込む部員を見かねて言った。


「もう日が暮れるし、今日の掘削はこれまでだ。作業道具を集めたら下山する。明日の朝も早いぞ。」