石井副調査役は小躍りをやめ、怒りに満ちた表情で叫んだ。


「馬鹿かお前は！システム資源を掘り当てろ。誰が金の鉱脈掘れと指示した！このまえも似たようなことをしただろう。そのときはシステム資源じゃなくて油田だったが。似たようなものだ。少しは反省したまえ！」

油川はがっくりとうなだれた。

他の集まってきた部員も口々にいった。

「これだから相撲取りは」

「でくのぼう親方」

「赤いのだけが取り柄か」

「システム資源は、金塊でも石油でも有りませんよ」

「毛むくじゃら赤豚フルコース」

「ぼけ」



各人口々に汚い言葉を投げかけストレスを発散させ、持ち場に帰ろうとしたとき油川は叫んだ。

「まて、お前ら」

驚いた一同は油川を振り返った。

「誰にでも間違いはあるだろう。成果を挙げていないのは俺だけじゃあないだろう。何で俺だけがこんなに言われにゃあならん。謝れ。」


陸隊一同一瞬しんとしてしまったが、すぐさま


「あなたが間違えるのが悪いんでしょう。豚の間違いを棚に上げないで下さい」

「相撲取りなりの人生観を持っているのかもしれないけど、僕らはそんな風にいわれる筋合いはないね」

「ヘイ、金塊豚油田レッド・ボーイ・シャラップ」

醜い言い争いが始まり、騒然となったところにずんずんと一人の彦麻呂級の大男がやってきて言った。




「油川彦麻呂、お前を逮捕する！」