「上司と申しますのは・・」

女はそこまで言うと沈黙

「この声のことですかな?」

野太い男の声


は?


「まあ、こんな風にして対応していたわけですがご満足頂けたようでよかったです」

ハスキー声に戻り、冷たい口調でそう言った



え?え?え?
ナニコレ?


「いやー、それにしてもさ、あんた不幸だね。モテナイってことは不幸だけど、人に迷惑をかけるなんて罪だよね。とにかく、自殺防止のミッションは大成功!って感じで」

ハスキー声が不遜な態度で言う


「まてまてまてまて」
ようやく状況が飲み込めた

「なんざんしょ?」

何ってお前・・・。ヤバイ何を言っていいかわからん

こんなんありか?


「それでは何も無いようですのでお電話切らせて頂きますね。今後はちゃんと社会に貢献できるように、そしてモテなくても自暴自棄にならずに細々と生きてくださいねー」


ガチャン

おいおい、言葉を失ってる間に切られたよ

電話対応っつーのはさ、相手が切るのを確認してから静かに受話器を置くもんだろうが・・・

俺は怒りを通り越して脱力
かけ直す気力もないままに呆然と受話器を握ったままそんな事を考えていた