体育館に向かうあたしは、廊下を歩きながら、ブツブツと小言を言っていた。 そして、体育館裏に着くと居るはずの、義人の姿がない。 辺りを見回して居ると、後ろから誰かに抱き付かれた。 「きゃっ!」 ビックリしたあたしは思わず大きな声を出してしまった。 パッと口を後ろから塞がれる。 硬直状態のあたしは、動けずにいた。 ゆっくりと口を押さえられていた手が離れると、 「でかい声出すな!」 と、耳元で囁かれ後ろから、首筋に暖かいものが触れる。