加賀君との会話を一部始終、聞かれていた事に、黙ってしまう。 「…………」 「ハッキリ“付き合ってる”ってなんで言わねぇんだよ?」 【俺以外の男としゃべるな!】 とか、 【俺と付き合ってる事をちゃんと言え】 とか…。 訳わかんないんだよね! 「こんな事が次、あったらお仕置!」 そう言って怖い顔の義人は、あたしを置き去りにして、屋上から出て行ってしまった。 もう…。まったく!後ろ姿の義人を見て溜め息が出た。 はぁ~。 そのうち“誰とも会話するな”とか言い兼ねない気がする。