「今から家に行くの?」



「そうよ~、これに着替えて!」



「うん。」



なんだかドキドキしちゃう。



家に帰ると少しでも記憶を取り戻せるかなって。



着替えを済ませると、暫くして義人クンが病室に来た。



「じゃあ、行きましょ。先行って、車を玄関に回すから。」



ママは先に行っちゃった。



「行こっか?」



義人クンは、優しい笑顔を向ける。



「うん。」



ゆっくりと病室の入口まで歩く。



いつも、優しい義人クンにキュンとし始めていたあたし。