正門に鍵がかかってないなんて不用心だなぁ…







正門を開けるとどこに向かうでもなく大声で叫んでみた。






「すみませーん!」

「誰かいますかー?」







廊下の先まで声が伝わったと思うと、そのまま音は闇に消えていった。







「誰も残っていませんかー?」


「忘れ物取りにきたんすけどー!!」











声は次々と闇に消え入り、残ったのは白い息と静寂な空間だけだった。